2026年6月、ノイズ除外後のステーブルコイン決済額でUSDCがUSDTを上回る

AI マーケットサマリー
調整済みオンチェーンデータは、経済的に意味のあるステーブルコインの決済量において、機関投資家のフローと銀行統合に牽引されてUSDCがUSDTを上回ったことを示唆している。一方で、USDTは依然として最大の時価総額と、はるかに多い取引件数を維持している。これは市場の二極化を示している。すなわち、USDCはコンプライアンス志向の機関投資家向け決済レールであり、USDTは高頻度のリテール/オフショアのドル導管である。手法をめぐる異論が確実性を抑制するが、複数四半期にわたるトレンドはこのシフトを裏付けている。
影響度
● 中
影響を受ける資産
BTC/USDT+0.19%
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● 中立
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CoinDeskによると、VisaとAlliumのオンチェーンデータを基に、ステーブルコイン市場では役割分担が鮮明になりつつある。大口の決済・清算はUSDCが主導する一方、小口送金やオフショアでの米ドル需要ではUSDTが引き続き優位だという。 時価総額ではUSDTが最大であるものの、内部移転やボット取引などを除いた"実際の経済活動"に近い指標(調整後取引量)で見ると、USDCが明確に先行した。6月は差がさらに拡大し、2026年6月のステーブルコイン調整後取引量合計は過去最高の1兆7,900億ドル。内訳はUSDCが約1兆2,100億ドル(約67%)、USDTが約5,730億ドルだった。2026年上期ではUSDCのシェアが70%近くに達し、USDTは約25%にとどまった。 この結果、ステーブルコイン市場で"時価総額最大"と"決済額最大"が一致しない状況が定着しつつある。時価総額はUSDTが約1,840億ドルで首位、USDCは約730億ドル。資金フロー上の役割は分岐している。 USDCの伸長は銀行・機関投資家の利用増が背景にあるとされる。記事は、USDCの優位が短期的な振れではなく、長年の積み上げの帰結だと指摘。Circleは、準備資産を米国債と現金で保有する方針、準備金の定期開示、米国・欧州で受け入れられやすい規制枠組みに沿った商品展開など、コンプライアンス重視の戦略を継続してきたという。 2026年は機関投資家の採用が一段と加速した。スタンダードチャータード銀行は従来の銀行インフラを通じてUSDCの発行(mint)・償還サービスの提供を開始。BNY Mellon(バンク・オブ・ニューヨーク・メロン)もデジタル資産カストディ・プラットフォームにUSDCを追加した。記事は、大手銀行は自前トークンの発行よりも、既存の規制対応ステーブルコイン網との連携を選好する傾向が強いと結論づけている。 一方、取引件数ではUSDTが依然として優位だ。6月のデータでは、USDTの処理件数は約1億4,500万件で、USDCの約5,700万件を大きく上回った。USDTは新興国やオフショア取引環境で、高頻度・少額の幅広いユーザー向けドル送金に使われやすい。言い換えれば、USDCは1回あたりの取引金額が大きく、USDTは利用者数と取引回数で勝る。記事はこれを、前者は機関投資家の決済チャネル、後者は価値保存と交換手段に近い市場という、二つの異なる市場として整理している。 なお、この"調整後取引量"はオンチェーンの生データではなく、内部振替、ボットのループ、集約転送などを除外して推計した値で、手法には判断が伴う点も指摘された。加えて、Visaは2020年からCircleの提携先であるため、指標への見方を慎重にする声もあるという。それでも記事は、USDCが月次の調整後取引量でUSDTを継続的に上回り始めたのは2025年初頭で、その後も複数四半期にわたり傾向が続き、主要データセットで明確に反する結果は示されていないとしている。